2007年10月27日

謙虚の美

 このところ、町の床屋さんが減りつつあることは皆さんもお気付きと思います。若者客の床屋離れと、マスターの高齢化が、拍車を掛けているのが現状と聞きます。
 男が美容院へ行くのも、我々の世代は抵抗があるが、いつかは、薄くなった頭を刈りに行かなくてはならぬのかもしれない覚悟が必要だ。
 昔から「苦髪楽爪」と言う、気のせいか最近は爪も髪もよく伸びる。
 隣の中国では、「白髪三千丈憂いによりてかくの如く長し。」と苦労を例えてこのように表現する、言い方がオーバーなのは、あのダダッ広い大地に棲むと、こうなるのかもしれない。廬山の瀑布(瀧)を眺めて、詩聖李白も大げさに「飛流直下三千尺、疑うらくは是れ銀河の九天より落つるかと」と、詩の表現は大きい方が良いそうですが、詩に止まらず、この国の人達の大げささは御免被りたいこともある。例えば戦争での被害を誇張するなどは聞く方も心が傷む。
 日本人は、大げさに言ったりするのを「大ぼらを吹く」とか大風呂敷という言い方で、あまり良い印象は得られない。むしろ小さく表現したり、控え目な見方が好まれるのは国民性でしょうか。コ富蘆花なんか家は十坪で庭はたった三坪しかない。しかし「庭狭きも碧空を仰ぐ可く、歩して永遠を思うに足る。……中略。 静かに観ずれば宇宙の富は、殆ど三坪の庭に溢るゝを覚ゆるなり。」と、これが日本人の感性ですね。
二〇〇六年十二月六日(第一一〇四回例会)

posted by まもる at 16:48| Comment(0) | 会長挨拶
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