2009年10月27日

天職に奉ず

 今年も余すところ数日となりました。振り返って見ますと、今年くらい「職業倫理」が問われる年はなかったように思います。事例をあげるまでもなく、皆様ご存知の通りでございます。
 私達ロータリアンは職業人の集団であります。その職を通しての奉仕が結果的に、社会奉仕、青少年奉仕、国際奉仕として貢献しているわけですが、「奉仕の本質はまさに職業から生れるものといってよいと私は思っています。そして当然そこには倫理という心の枷が必須な条件としてあることも忘れてならないと思います。
 さて、ロータリーが倫理観を説く前に日本ですでに高い職業倫理はありました。江戸時代に「職業倫理」を説き、日本の近代思想の基礎を築いたとされる思想家鈴木正三という人、この人、武士の家系に生まれ、大阪夏の陣、冬の陣に参戦したにもかかわらず出家し、禅僧として思索を深め、残した書物の中でも働くことは、それ自体が目的で「天職」に打ち込めば、人間として完成されるという教えは日本人の勤勉さをいち早く表したものであるとして、注目を集めたといわれています。
 又、近江商人で知られる山村平八の「商社格言」は商道徳を守ってこそ商人の道はあると、その心得が遺されています。一部を紹介しますと、
常に正直と勤勉を第一とす。
信用を重んじて利益は後に考えるべし。
品性を養って日頃の行いを慎み、法規を守り、
約束を実行し、善根を心がけ、そして人に知られない善行をせよ。
人のために尽くすことは、やがて自分のためになると知れ。【商社格言抜粋】
とこのようにいって居ります。私達ロータリーでは、一九一五年七月十九日サンフランシスコに於いて開催されたロータリークラブ国際連合会第六回年次大会にて、道徳律が採択され、ロータリーの組織の光明として示されて来ました。そしてその後ハーバード・テーラーによる「四つのテスト」が現在まで職業倫理を具体的に説明する言葉として、私達の行動の指針を今日に示しています。
 皆様どうぞよい年をお迎え下さい。

二〇〇六年十二月二十七日(第一一〇七回例会)

posted by まもる at 16:50| Comment(0) | 会長挨拶